業界・企業の眺め方
わたくしはあの高度経済成長時代、“工作機械工業会”の切削工具部門で働いておりました。
その時代とは車のエンジンも鋳物製、それも鋳造技術がいまいちでしたから、製品にするまでに多量の“駄肉”をとる必要がありました。
でも当時は平面は《フライス盤》、外形・内径は《旋盤》に取り付けた切削工具で、各工程を加工しなければならなかったもの。
特に製品の外形に曲線が伴う場合は、ベテランの技術者しかできない仕事で、当時は各企業に“工匠”と言われる方々がおられて、若手育成に始終なさってたんです。
いろいろな機械を使う場合、その都度製品を移動させなければならなかった。それは当然機械が変わる度に、セッティングが必要になることもお判りでしょう。
そこには切削工程ばかりじゃなく、削る製品を取り付けるための、取り付け冶具の製作。さらにその冶具に製品を取り付ける精度も、同時に求められることになるんです。
ですからですから、そんなさまざまに技術にも長けた工匠の存在は、企業・工場にとってなくてはならないものと言えました。
がしかし時代が変わりまして、コンピュータで各刃物を制御するNCマシンが登場し、これらの機械がどんどん普及しますと、機械加工技術以上にプログラミング知識が求められるようになるんです。
それはそうですよね、この手の機械はプログラミングしますと、一度の製品セットで外形はもちろん内径も面削りも、放っておけば出来上がりを知らせてくれる。
それってまさに、電気釜をセットすればかまどで炊いたご飯と同じもんが出来上がる。のように、誰にでも完成品を量産できるようになったということ。
かくして長く続いた工匠の存在感は、時代の変化でその存在を肯定から否定の時代へと。
工匠なる人のほとんどは、当然その職名からして高齢者ばかりでしたら、“老兵は消える行くのみ”でしかなかったと言えるでしょうか。
ここで何を申し上げたいのかは、現代とはその当時に似て就職環境良好な時代にあっても、業界としての低迷は人余りを発生させる。
では目をゴルフ界に向けたなら、そこでこれからのゴルフ関係企業に在籍の皆さんは、考えてほしいんです。
あなたの10年後・20年後は?と
考えることだけなら、損になることなどありません。業界としての先行き、自社としての先行きをしっかり把握して下さい。
もちろん、例え業界としての見通しが悪くとも、自社の先行きに心配がないのなら、それはそれで◎だと判断できます。
しかしその事実を確認できたとしても、退職金の目減り、年金受領額の低下・受領期の先送りは避けられません。
そこで《逃げ遅れ負け組》予定者としては、今から定年まで、さらに定年以後の働き方まで考えておくこと。
ご存知かもですけど、わたくし別ブログで“地方創生”に付いて書いてます。でもその件に意外と関心薄いと思われるのは、故郷がなくなる想定できない人が多いからと思えます。
ですから現在現役の方に、定年後のこといっても想像できないかもしれません。
しかし今とは、過去の100万円・10年定期で倍になる時代じゃなく、数千円にしかならない程世の中は変わっている。
さらに現在年金もらってる《勝ち逃げ組》に対して、40~50歳の方々は《逃げ遅れ負け組》になること確実なこと知って、自分の未来を考えて下さい。
考えておく、それだけで未来は変えることできるのですから。
次回はその具体的なお話させて頂きます。